「このブログが書籍化されます!」に一考

電車男の後追い企画というか、ブログなどのネット情報を書籍化して発売する、というものがある。まあ、それは出版社とブログ作者の自由だから、好きにやっていればいいが。
この場合、出版社は何の見返りとして利益を得ているのか?


書籍の発売とともに、書籍化されたブログからは書籍に収録された部分が削除される、というケースが大半である。そりゃ、発売された本と同じ内容がネットで読めたら商売あがったりだ。書籍化の際に出版社とブログ作者の間で、書籍収録部はネットから削除するという契約が結ばれたのだろう。
ここが重要なポイント。
今までネット上で自由に読めた情報が、書籍化に伴って読めなくなった。今まで自由に読めていた情報が、今後は、出版社に金を払わなければ読むことができなくなった。


このような書籍を買う人は、何に対して金を払っているのか?


「今まで自由に読めた情報をネットから削除し、独占してくれてありがとう。そのお礼として書籍代金を払って読ませてもらいます」ということになるのでは?


それって【地上げ】とか【占拠】って言わない?


いや違う、ネットの情報は消えやすいから書籍の形で保存したいから代価を払うのだ、PCの画面では目が疲れるから本で読みたいため代価を払うのだ、という反論もあるだろう。が、その目的を達成するためであれば、書籍発売とともに該当部をネットから削除する必要はないはずだ。情報そのものがネットから削除されるという代償は、読みやすい本への対価として妥当だろうか?


ま、ブログの内容はブログの作者の著作物だから、作者がそれをどう扱って出版社とどんな契約を結ぼうが自由だ。このように出版された本を買うも買わないも消費者の自由だ。
オレなら、買わない。