効果的な学習法: 知識を定式化する20個のルール (17/20)

(This is a translation of "Effective learning: Twenty rules of formulating knowledge" by Dr Piotr Wozniak)

17. 冗長性は最小情報原則と矛盾しない

冗長性とは、簡単に言うと、必要以上の情報 や 重複した情報 のことです。冗長性は 最小情報原則に反するものではなく、むしろ良い影響があります。冗長性の話題は この短い記事で扱うには広すぎるので、ここで挙げる例は 以下のことを示すだけです…最小情報原則とは 単に 問題文の文字数や 問題集ファイルのビット数 が最小である という意味ではありません:

受動・能動アプローチ:

外国語を学ぶときを想定します。例: エスペラント。あなたは単語のペアの問題を作るでしょう。たとえば 電話→telefono, 言語→lingvo, 希望→esperanto, など。これらのペアは、外国語の単語を 能動的に 思い出す問題です。能動的な想起ができたからといって、受動的な認識ができるとは限りません。つまり telefono→電話, lingvo→言語, esperanto→希望、ということを思い出せないかもしれません。問題と答えを逆にした単語カードを追加すると、冗長性は増えますが、最小情報原則には反しません! 単語カードそのものはシンプルなままです。ただ枚数が増えるのです。

理解の手がかり:

以下の問題を解け、という問題を使って、理解を高めたいこともあるでしょう。つまり、単に答えを暗記するのではなく、素早く理解の手順をたどって (例: 数学の簡単な方程式を解く) 答えを出すのです。このような場合、答えの中に理解手順のヒントを書いておけば、復習のたびに同じ道筋をたどって 記憶を強化できます。

導出過程:

もっと複雑な問題を解く場合、導出過程を一段階ずつ記憶することをお奨めします (例: 数学の複雑な問題を解く)。詰め込み教育ではありません! 毎回 脳が 最短経路を使って 問題を解くことを 確実にするためです。創造性と知性をブーストする方法をもっと知りたければ、これらの記事を読んでください: Roots of genius and creativity, もっと具体的なのは: Derivation, reasoning and intelligence

複数の意味の表現:

ひとつの知識が、いくつもの異なる観点から表現できる、ということは よくあることです。ひとつの事実について 複数の表現を記憶することは、その事実が高価値のとき おすすめです。こうすると 期待想起確率 が高まります (forgetting indexによる予測よりも)!

柔軟な復習:

ひとつの質問に対して複数の答え方がありうるなら、
それらの答えのうち どれを答えるべきかの手がかりを 問題文に入れてください。
また、複数の正解のうち どれを答えても 正解扱いにしてください。
例えば、言語を学んでいるとき、ある定義に該当する同義語すべてを学習するのは あまり意味がありません。
同義語のうち ひとつを答えれば十分だ とするのが より適切です (例: 何かの上にインクが垂れてできた しみ = blot/blob/blotch)。

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